2021年に開催された「virtual drupa 21」にて、BOBST社のグローバル・マーケティング・ディレクターFrancois Martinが、パッケージングの持続可能性を達成する幾つかの方法と、それを実現するために今日どのように開始すべきかについて解説しました。
そうです、パッケージの生産は、もっと持続可能なものでなければなりません。そして、私たちの手元には既にソリューションがあり、今日それをもっと導入しない理由はありません。もちろん、新しい技術はどんどん開発されてゆくでしょうが、私たちは今、既にある信頼出来る方法で行動する必要があります。
11の一流ブランド;ユニリバー、ペプシコ、マークスアンドスペンサー, マース、ロレアル、ウォルマート、エコベール、ワーナーアンドマーツ、エビアン、コカコーラ、アムコアの全てが、2025年までに、100%再利用可能、リサイクル可能、または堆肥(コンポスト)化可能なパッケージに取り組むことを公約しています。そして他のブランドも続いており、これは企業が持続可能性に真剣に取り組んでいるという事実を示しています。
BOBSTの将来へのビジョンは、ブランドオーナー、加工業者、消費者の間のより強い協力関係の構築を基盤にしています。これらのパッケージングバリューチェーンの利害関係者は、皆パッケージングの持続可能性に関心を持っているにもかかわらず、既に利用可能なテクノロジーを使用するわけでなく、取り組みを変える積極的なコミュニケーションも取っていません。
地球のより良い未来を確保するためには、廃棄物の削減が重要であることは周知の事実です。世界で使用されているプラスチックの40%は包装業界で使用されています(1)。さらに、eコマースは2桁の成長を続けており、食品などの新しい分野にも進出していますが、適切に管理されなければ、さらに多くの廃棄物を発生させる危険性があります。
今や、持続可能性とは軟包装だけの課題ではありません。この問題は軟包装を超えたものであり、パッケージング分野全体に渡って、より大きな協力と意思決定が必要となっています。また、パッケージング分野だけでなく、廃棄物処理会社との連携も強化される必要があります。今日、少なくともヨーロッパでは、ポリエチレン製品をリサイクルするための最先端の設備があり、単素材のリサイクル可能なプラスチックとしては、ポリエチレンがより多くの可能性を秘めています。
では、「課題」を「チャンス」に変えるためにはどうすればよいのでしょうか? 廃棄物を減らす方法は手元にあるのです。BOBST のoneECG(拡張色域)テクノロジーは、ラベル、軟包装、紙器、段ボール業界のアナログおよびデジタル印刷工程で採用されている技術です。拡張色域ECG(Extended Color Gamut)印刷とは、カラーマッチングをデジタル化するプロセスであり、素材、インク、水の廃棄を最小限に抑え、乾燥に必要なエネルギー消費を削減することができます。
品質管理は廃棄減量に関する重要な要素です。これは実際のところ最も現実的なものであり、いわゆる低くぶら下がった果実(容易に解決できる課題)です。消費者が受け取る製品の損傷、包装業者が受け取る品質の悪いパッケージ、小売店が受け取る低品質な包装、ブランド向けに生産されたパッケージのミスなど、すべてが不必要で避けられる廃棄物です。BOBSTの品質管理ソリューションを統合したoneINSPECTION は、エンド・ツー・エンドの品質管理ソリューションで、アートワークデザインから最終製品に至るまでを一貫して管理し、リコールとそれによって発生する廃棄物を削減します。BOBST のACCUCHECK とDigital Inspection Tablesは、今日利用できる素晴らしいソリューションで、廃棄物の大幅な削減に貢献します。

より持続可能なパッケージ生産への戦いのもう一つの重要な要点は、リサイクル可能な素材の採用です。軟包装向けの持続可能な代替品を研究、試験、開発、調剤するために、私たちは、フィルムや原材料、接着剤、ラッカー、コーティング剤、インクなどの製造会社から、包装業者、ブランドオーナー、小売業者に至るまで、多くのハイレベルな業界パートナーと協力しています。
では、どのようなソリューションが生まれ、どのように分類されるのでしょうか。BOBST の最優先事項は、ポリオレフィン類の単一素材によるソリューションを開発することでした。つまり、適当なバリア性能を持つ一方でリサイクルが可能な、PEまたはPPを母体とする単一素材を見つけることです。 PP素材の方がバリア性能を得やすいのですが、PEの方がリサイクルのインフラが進んでいるため、私達はそれを優先に力を入れてoneBARRIERの提供を進めました。
BOBSTは、欧州の160の企業や団体が共通の理念の下に参加する組織「CEFLEX」のメンバーです。その理念とは、全ての軟包装材を回収し、リサイクルされた材料の80%以上を価値のある新しい市場や用途に導入(最終的には新規原料の代替とする)するというものです。アメリカやアジアにも同様の組織がありますが、いずれも共通の理念を持っており、基本的には、使用済プラスチックをパッケージングの循環に戻すことを目指しています。目標の中心にあるのは、素材が再利用され、パッケージが自然分解で完結することです。
BOBSTは、これらの短期的にすぐに展開できるソリューションに加えて、繊維をベースにした紙の代替パッケージングソリューションにも取り組んでいます。これもまた、リサイクルが可能で、循環型経済の輪に入るものです。ここでの難しさは、多孔質素材を扱っているため湿度の問題があり、また繊維の表面が粗いため、バリア性能を発揮するのが非常に難しいことです。内容物の保護が目的で、特に高いバリア性を必要としない場合は、繊維ベースのパッケージへの移行が容易になります。プラスチックと同様に、繊維ベースのパッケージにもリサイクル性の目標があります。市場で設定された基準によると、リサイクル可能と定義されるためには、パッケージ構造の80%以上の繊維が再利用される必要があります。
さらに、BOBSTは、分解してライフサイクルを終えるバイオポリマーのソリューションにも取り組んでいます。これらのソリューションの障害のひとつは、このような代替パッケージのコストに関連しています。バイオポリマーには2つの主なトレンドがあります。1つは産業用コンポストから家庭用コンポストへの移行、もう1つは海洋分解性パッケージです。
oneINSPECTION、oneECG、oneBARRIERなどBOBSTソリューションは、すべて廃棄物の削減に重要な役割を果たし、その結果、生産性の向上とコストの削減を実現します。持続可能性はまた、デザインを含むパッケージ生産のバリューチェーンの全てのステップで考慮される必要があります。
結論になりますが、パッケージ生産はもっと持続可能なものにすることが可能です。そして今、それを待っている余裕はありません – 決定を下す人が変革を成し得ます。
(1) 世界化学物質アウトルックII – 国際連合環境計画
Bobst Japan ltd